事業紹介較正の対象測定器と項目

較正対象の測定器と較正項目は、次のとおりです。
また、各較正対象測定器の較正適用範囲は 第1表をご参照ください。


1.周波数計

  • 指定較正
  • 一般較正

(1) 基準周波数の合わせ込み

周波数計が内蔵する基準発振器の周波数を正確な値に調整します。
調整が困難な機器については、周波数偏差を表示します。

(2) 周波数目盛り

周波数を直接指示する型の周波数計の指示値の較正、又は、周波数を目盛りから読み取る型などの周波数計の目盛りの較正をします。

2.スペクトル分析器
(スペクトルアナライザ)

  • 指定較正
  • 一般較正

(1) 周波数特性

一定の電力指示値について周波数を変えて較正します。較正する電力指示値と周波数は、ご希望によりますが、電力指示値は、内蔵の基準出力信号と同程度のレベルの較正をおすすめします。
なお、送信機のスプリアス電力測定器として使用する場合には、ご希望により、送信機出力端に接続するケーブルの先端から方向性結合器等を経由してスペクトル分析器に至るまでの測定系の周波数特性としての較正も行います。

(2) 減衰器目盛り

入力減衰器切替時の相対減衰量をご希望の周波数で較正します。

(3) 管面目盛り-振幅

管面の振幅目盛り(縦軸目盛り)を、ご希望の周波数で較正します。

(4) 管面目盛り-周波数

管面の周波数目盛り(横軸目盛り)を較正します。特に周波数幅などを精密に測定するときにご利用下さい。

(5) 基準周波数の合わせ込み

周波数計の場合と同じように、内蔵の基準発振器の周波数を、正確な値に調整します。

3.電界強度測定器

  • 指定較正
  • 一般較正

(1) 電界強度

空中線、接続ケーブルを含む電界強度計の較正を行います。

(2) 電圧周波数特性

電界強度測定器本体の受信部の入力電圧較正を行います。「アンテナ係数」の項目と組み合わせると電界強度を求めることができます。
なお、送信機のスプリアス電力測定器としてこの受信部を使用する場合には、ご希望により、送信機出力端に接続するケーブルの先端から方向性結合器等を経由して受信部に至るまでの測定系の周波数特性としての較正を行います。

(3) 減衰器目盛り

電圧指示の相対変化量の較正を行います。

4.高周波電力計

  • 指定較正
  • 一般較正

(1) 周波数特性

公称インピーダンス50Ω又は75Ωの高周波電力計(終端型、通過型)の複数の周波数における一定の電力指示目盛りの較正を行います。

(2) 電力目盛り

公称インピーダンス50Ω又は75Ωの高周波電力計(終端型、通過型)の一定の周波数における複数の電力指示目盛りの較正を行います。

5.電圧電流計

  • 指定較正
  • 一般較正

(1) 電圧目盛り

電圧電流計の電圧目盛りの較正を行います。

(2) 電流目盛り

電圧電流計の電流目盛りの較正を行います。

6.標準信号発生器

  • 指定較正
  • 一般較正

(1) 出力電圧目盛り

公称出力インピーダンス50Ω又は75Ωの標準信号発生器の出力電圧を、出力端子をそれぞれ50Ω又は75Ωで終端した状態で較正します。

(2) 減衰器目盛り

出力指示と減衰器目盛りを別々に表示する型の減衰器目盛りの較正及び直接出力電圧を表示する型の出力電圧を変化させたときの相対値の較正を行います。


  • どちらの場合も(1)「出力電圧目盛り」で較正した出力電圧を基準にして、それからの相対減衰量を較正します。
  • 標準信号発生器の較正には、広範囲にわたり能率よく較正できる両項目を組み合わせた次の較正をおすすめします。

1)
「出力電圧目盛り」では、比較的高いレベルの出力電圧を周波数特性が把握できる複数の周波数ポイントで較正します。
2)
「減衰器目盛り」では、1)で較正した出力電圧を基準にして、低レベルまでの相対減衰量を1)の周波数ポイントのうちから選んだ周波数で較正します。

7.周波数標準器

  • 指定較正

セシウム周波数標準を基準として、被較正周波数標準器との周波数差を測定し、周波数偏差を較正します。

8.変調度計

  • 一般較正

(1) 周波数偏移目盛り

FM変調された信号の周波数偏移を測定する周波数偏移計、FM直線検波器、モジュレーションアナライザなどの周波数偏移目盛りの較正を行います。

(2) 振幅変調度目盛り

AM変調された信号の変調度を測定する振幅変調度計、モジュレーションアナライザなどの振幅変調度目盛りの較正を行います。

9.高周波減衰器

  • 一般較正

(1) 周波数特性

固定減衰器、方向性結合器等の周波数毎の減衰量を較正します。

(2) 減衰器目盛り

ステップ型減衰器のインクリメンタル減衰量を較正します。

10.低周波発振器

  • 一般較正

(1) 周波数特性

低周波発振器の出力レベルを周波数を変化させて較正します。

(2) 減衰器目盛り

出力レベルを変化させたときの相対減衰量の較正を行います。

11.平坦レベル計

  • 一般較正

(1) 周波数特性

平坦レベル計の入力レベルを一定にしたときの周波数特性の較正を行います。

(2) 減衰器目盛り

平坦レベル計の一定の周波数において入力減衰器の相対減衰量の較正を行います。

12.空中線

  • 一般較正

(1) アンテナ係数等

ループアンテナ、ダイポールアンテナ(短縮を含む)、バイコニカルアンテナ、ログペリオディックアンテナ等のアンテナ係数及びホーンアンテナのアンテナ係数及び利得の較正を行います。

13.オシロスコープ

  • 一般較正

(1) 垂直軸電圧

オシロスコープの垂直軸(電圧)の較正を行います。

(2) 掃引時間

オシロスコープの水平軸(時間)の較正を行います。



第1表 較正対象測定器と較正適用範囲


注1 
国家標準にトレースされた高周波電力計及びスペクトル分析器の周波数範囲と接続コネクタは次表のとおりです。(較正条件に合わないコネクタの場合は、変換コネクタの添付をお願いする場合があります。)
周波数 コネクタ条件
100kHz~18GHz N型
50MHz~50GHz 2.4mm(オス)
50GHz~75GHz Vバンド導波管WR-15
75GHz~110GHz Wバンド導波管WR-10

スペクトル分析器に外部ミキサを接続する場合は、外部ミキサのコンバージョンロスデータ・フロッピーディスクの添付(ハードディスク内蔵のものはファイル名)とデータ読み込み手順書が必要です。
注2 
高周波電力計の周波数帯域別の較正範囲は第2表及び第3表のとおりです。
注3 
交流電圧目盛りの較正可能周波数は、1,000Vで10kHzまで、33Vで最高周波数の100kHzまでです。また、交流電流目盛りの較正可能周波数は、11Aで1kHzまで、30mAで最高周波数の10kHzまでです。
注4 
入出力インピーダンスが記載されていないものは全て50Ωとなります。

第2表 高周波電力計の周波数帯域別較正範囲(50Ω)

高周波電力計50Ωの較正範囲 事務所
周波数 電力
100kHz~10MHz0.1μW~100W松戸試験所
10MHz~100MHz0.1μW~150W
100MHz~400MHz0.1μW~250W
400MHz~1GHz0.1μW~200W
1GHz~1.3GHz0.1μW~50W
1.3GHz~1.7GHz0.1μW~100W
1.7GHz~2GHz0.1μW~50W
2GHz~18GHz0.1μW~10W
18GHz~50GHz0.1μW~10mW
50GHz~110GHz0.1μW~100μW
100kHz~10MHz0.1μW~10mW西日本サービスセンタ-
10MHz~100MHz0.1μW~50W
100MHz~400MHz0.1μW~250W
400MHz~1GHz0.1μW~50W
1GHz~1.3GHz0.1μW~30W
1.3GHz~1.7GHz0.1μW~100W
1.7GHz~2GHz0.1μW~30W
2GHz~18GHz0.1μW~1W
100kHz~10MHz0.1μW~10mW中日本サービスセンター及び
長野サービスセンター
10MHz~1GHz0.1μW~50W
1GHz~2GHz0.1μW~30W
2GHz~18GHz0.1μW~10mW

第3表 高周波電力計の周波数帯域別較正範囲(75Ω)

高周波電力計75Ωの較正範囲 事務所
周波数 電力
100kHz~2GHz0.1μW~10mW松戸試験所
1MHz~500MHz1W~50W
1MHz~150MHz1W~50W西日本サービスセンター

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